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【ドライアイと涙】涙は3種類ある!?

2021/1/20(水) ドライアイ について

ドライアイは「涙」の病気です。

その「涙」には3つも種類がある事をご存じでしたか??

 

①「刺激性の涙」

玉ねぎを切った時、目にゴミが入った時など、目が刺激を受けた時にだけ流れる一時的な涙です。

 

②「感情の涙」

笑ったり、感動したり、怒ることで流れる涙です。

 

③「基礎的な涙」

無意識に分泌されている涙です。

ドライアイに関係しているのは③「基礎的な涙」です。

 

話はそれますが…

あくびをすると、涙が出ますが、あの涙は出しているのではなくて

一度分泌して排泄された涙が逆流しているだけなんで、涙が出ているわけではないんですって。

 

 

◆ 「基礎的な涙」はどのくらい出ているの? ◆

基礎的な涙は、1日に2cc~3cc程度排泄されています。
1年間に缶コーヒー約1本程度。

少なっ!!

って思うの私だけでしょうか?

たかが缶コーヒー1本分の「涙」でドライアイに悩まされているなんて

なんだか悔しくなりますよね..

 

◆ 「基礎的な涙」の成分 ◆

年間でコーヒー1缶の涙ですが、この「涙」は血液を透明にしたような液体で、

ものすごく豊富な栄養と特殊な構造で出来ています

 

涙の成分↓

・たんぱく質(リゾチーム、ラクトフェリン、アルビニン、免疫グロプリン、銅・亜鉛SOD)
・ビタミン(A、C)
・細胞成長因子(EGF、TGF-、TGF-1、TGF-1b、TGF-2)
・電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン)
・抗酸化物質(チロシン、グルタシオン)
・炭水化物(グルコース)など・・・

聞いた事もない成分ばかりですね。

現在の技術では涙の代わりを作ることは難しい、栄養素が詰め込まれているんですって!

 

なんだか「涙」一滴が貴重に感じます…

 

◆ 「基礎的な涙」の構造 ◆

さらにこの涙は「3層(2層構造の表現もあり)」の構造から成り立っています。

<油層>
涙の1番外側にある層。

まぶたの裏にあるマイボーム腺から分泌される油の層で、涙の蒸発を防ぐ働きをしています。

 

<涙液層>
真ん中にある層。涙液層がいわゆる「涙」と呼ばれている部分です。

厚さで言うと3つの層の合計で約90%以上を占めているのが涙液層になります。

 

<ムチン層>
1番内側の層。目の表面と涙をつなぐノリの様な役割をしていいます。

そのため、ムチン層がくずれると涙が目の表面全体にうまく広がりません。

 

3層構造と涙の成分がすべて揃って、初めて「涙」として機能するのです

 

たかが「涙」と思いがちですが、とーっても複雑なんですね・・・。

でも、複雑なのにはちゃんと意味があるのです。

 

◆ 「基礎的な涙」の5つの働き ◆

①目の乾燥を防ぐ

涙は目の皮膚みたいなもの。

涙は、ゴミやホコリなどの外界の刺激や乾燥から目を保護しています。

 

②目に酸素や栄養を供給する

目は物を見るために、血管が通っていません。

その変わりが「涙」なのです。

涙が血液に代わって、酸素や栄養を運んでいるんです。

だから、血液と同じ成分で出来ています。

 

③感染を防ぐ

涙は洗浄機能もあります。

目についた汚れやゴミを涙で洗い流し、目をきれいにしているのです。

また、涙にはリゾチームという殺菌作用をもった物質が含まれており、

微生物の侵入や感染を予防する働きをします。

 

④目の表面の傷を治す

涙には、目の表面の傷を治癒する成分が含まれています。

ごく小さな傷なら3日~1週間程度で自然に治るのは、そのためですね。

 

⑤目の表面を滑らかにする

目の表面の凹凸を滑らかにし、物を見やすくしています。

 

目薬を差しまくってもドライアイが良くならない!

という方は、自らの涙の成分や構造が乱れているから。目薬で簡単に代用できない「涙」

自らの涙をパワーアップしてドライアイを解消しましょう!

 

 

今回はドライアイと直接関係している「基礎的な涙」をご紹介しましたが、

「刺激的な涙」と「感情の涙」

を使ってもドライアイの対策が出来ます!

今後「ドライアイの対策」にてご紹介していきたいと思います。

 

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