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ジクアス点眼薬に防腐剤が入っているけど大丈夫?

2021/8/12(木) ドライアイ について

ドライアイ治療の目薬「ジクアス点眼薬」。

※写真はイメージです

新薬として発売されてから「ジクアス点眼薬」で救われた患者さんは多いのではないでしょうか。ジクアス発売の時はドライアイも、ようやく治療ができる目薬が出来たんだ!と喜ばしく思いました。

ただ、アイケアセレクトのお客様は

「ジクアス目薬を点眼しているけど、ドライアイが良くならない」という方が多いのも事実です。

数年間「ジクアス点眼薬」を使用してもドライアイが改善されないので、「ジクアス点眼には防腐剤が入っているから、良くないならないのでは?」とよく聞かれます。

そこで今回は、ジクアス点眼に入っている防腐剤についてお話していきたいと思います。

◆ジクアス点眼薬とは◆

2010年の12月に発売されたジクアス点眼薬。

ジクアス点眼薬の効果を簡単にまとめると、①涙液を増やす②ムチンを増やす③角膜の傷を改善する。といった効果のある目薬です。

ジクアス点眼が発売されるまでは、ヒアルロン酸目薬がドライアイ治療の主流で「一時的に目を潤す」という目的が強く、効果が出るジクアス点眼薬は画期的な新薬でした!

◆点眼薬に入っている防腐剤とは?◆

そのジクアス点眼薬に防腐剤が使われているのですが、そもそも防腐剤はなぜドライアイに良くないのか?

その理由は

ドライアイだと涙が少ないので点眼した際に防腐剤を洗い流す事ができず、目に傷が出来てしまうから。

目に良くない「防腐剤」を目薬に入れる方がおかしい!

と思いますよね。

でも、目薬を開封した瞬間から目薬に細菌に汚染される可能性が高くなります。点眼する度に細菌も一緒に点眼してしまうと、目に悪さをする影響の方が問題です。その為ほとんどの目薬に「防腐剤」が使われています。

よく目薬に使用されている防腐剤は

ホウ酸

塩化ベンザルコニウム

クロロブタノール

といった防腐剤が見かけられます。

防腐剤にも色々と種類があり、毒性の強い防腐剤だと角膜のタンパク質を変化させてしまったりと目に悪影響を与える事もあります。

洗い流す力が低下しているドライアイの方は、防腐剤の影響を受けやすいので防腐剤を使用していない目薬がおすすめされている。というわけです。

◆ジクアス点眼薬に防腐剤が入っている!◆

さて本題ですが..

ドライアイに防腐剤が良くないのに、ドライアイ治療の「ジクアス目薬」に防腐剤が入っている!?

なんだか矛盾を感じてしまいますよね

「ジクアス点眼薬」が発売された当初は

ベンザルコニウム塩化物という防腐剤が使用されていました。

ジクアス点眼の注意書きにも、ソフトコンタクトレンズの上から点眼するとコンタクトに防腐剤が吸着し角膜上皮に悪い影響を与えるため使用を避けるように!とありました。

防腐剤による悪影響も気になりますが、それ以上にドライアイへの治療効果が高いので通常通り処方されていました。

◆ジクアス点眼薬の防腐剤は変更されました◆

2015年から

ジクアス点眼薬は「クロルヘキシジングルコン酸塩液」という防腐剤に変更されています。

コンタクトレンズを着用しての点眼を避けて。という注意書きも現在はなくなっています。

「クロルヘキシジングルコン酸塩液」は、殺菌作用があり手指消毒や機械消毒などにも用いられる薬剤です。

ジクアス点眼薬の防腐剤は安全性が高いので、使用を継続しても防腐剤の影響は問題ない!

ジクアス点眼薬でドライアイが楽になっている。と少しでも効果を実感されているならば、ジクアスを継続した方が大きなメリットがありますね。

でも…

「少しでもジクアス点眼に防腐剤が入っているので使用するのが気になる」という方もいらっしゃるかと思います。

そんな方はジクアス点眼薬と効果が似ている「ムコスタ点眼薬」という、防腐剤フリーの点眼薬を相談されてみるのもおすすめです。

「ムコスタ点眼薬」については、また別の機会にご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

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