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治らないドライアイはシェーグレン症候群かも!?

2021/11/16(火) ドライアイ について

なかなかドライアイが治らない。という患者様の中にはドライアイの原因が病気から来ている場合もあります。今日はドライアイ症状が強く出る「シェーグレン症候群」をご紹介していきます。

シェーグレン症候群とは?

難病指定されている自己免疫疾患の病気です。

本来、免疫はカラダに侵入してきた異物に対して攻撃し退治するのですが、自分のカラダの成分に反応して、まったく無害な自分自身の細胞や組織を攻撃して、炎症を起こしてしまう病気です。

シェーグレン症候群は若年層~80代までに現れる病気ですが、50代に最も多く発病が見られます。

男女比は男性1:女性:17と女性に多い病気です。

50代以降の女性で、ドライアイがなかなか治らない、激しい乾きを感じる方はシェーグレン症候群を疑ってみてもいいかもしれません。

 

シェーグレン症候群の症状は?

涙を出す「涙腺」唾液を出す「唾液腺」などの炎症が起こるので、シェーグレン症候群の初期症状は「ドライアイ」「ドライマウス」が多く見られます。また、寒さや冷たさによって指先が青白くなる「レイノー現象」が起ることもあります。

ドライアイの症状

・目が疲れる

・目がゴロゴロする

・目が乾く

・充血しやすい

といったドライアイのよくある症状に加え、

悲しくても涙が出ない。といった特徴的な症状があります。

多くのドライアイは、涙の質や量の低下が起こってますが、涙を出す涙腺そのものが破壊されたり機能していないシェーグレン症候群ならではのドライアイ症状とも言えます。

ドライマウス

・食べ物が食べにくい

・口が乾いて会話が続かない

・虫歯が多い

・常に水が手放せない

ドライアイ・ドライマウスの他にもドライヴァギナで悩む方もいらっしゃいます。

他にも「疲れやすい」「関節が痛む」などの症状があり、重症化すると肺や腎臓の病気、膠原病、手の痺れ、関節痛など全身に症状がでます。

 

シェーグレン症候群の検査は?

1・血液検査

血液を採取して「自己抗体」の有無を調べます。

2・正検病理組織検査

涙腺、唾液腺の組織を顕微鏡で観察して免疫細胞が過剰になっていないか検査します。

3・涙の分泌検査(シルマー検査)

リトマス試験紙のような紙を目にはさみ、涙の量を図ります。

4・唾液分泌検査(サクソンテスト)

ガーゼを口に含み、唾液の量を図ります。

 

シェーグレン症候群の治療方法は?

根本的治療がない為、症状緩和の治療が主です。

ドライアイはドライアイ治療など、現れている症状に合わせてそれぞれの治療を行っていきます。

●ドライアイ治療

・涙点プラグ

涙の排泄口(涙点)に栓(プラグ)を差し込んで、涙を目にためる治療です。コラーゲンを注射器のようなもので入れるコラーゲンプラグという方法もあります。

・点眼治療

ジクアス点眼薬、ムコスタ点眼薬、ヒアルロン酸点眼薬などの目薬を点眼する治療です。

 

ドライアイがなかなか治らない!とお悩みの方は、シェーグレン症候群ではないですか?と医師に相談してみるのも根本原因がわかることに繋がるかもしれません。

 

 

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