【マイボーム腺機能不全】マイボーム腺梗塞とは?
2022/1/18(火) マイボーム腺について
マイボーム腺機能不全・マイボーム腺梗塞についてわかりやすくご紹介いたします。
◆マイボーム腺とは?
マイボーム腺とは、上下のまつ毛の生え際に70~80個ほどある皮脂腺の事です。
マイボーム腺からは油が分泌されていて、まばたきをスムーズにする潤滑油の役割と涙の蒸発を防ぐ油として活躍しています。
出口部分は見て確認できませんがイラストにすると、こんな感じで点状になっています。
実際のマイボーム腺はまぶたにスイカの模様みたいな感じです。
◆マイボーム腺機能不全とは?
「マイボーム腺機能不全」は、なんらかの原因でマイボーム腺の機能が正常に働いていない事で、目に色々とトラブルが起こっている状態の事です。
マイボーム腺機能不全のタイプは大きく分けると2種類。
●分泌減少型タイプ
萎縮型:マイボーム腺途中で切れていたり、少なかったりする事でマイボーム腺からの油の分泌が減少している。
閉鎖型:マイボーム腺の出口が汚れや、油などが詰まり、油の分泌が減少している。
先天性:マイボーム腺が生まれつき変形していたり、細かったりなどが原因で油の分泌量が少ない。
など、マイボーム腺からの油の分泌が減少しているタイプです。
●分泌増加型タイプ
マイボーム腺機能不全の分泌増加型タイプはほとんど症例がなく、分かっていない事も多いのですが、
体質や食生活、目の感染症や皮膚炎などが関係していると推測されています。
マイボーム腺からの油の分泌が多すぎてしまうタイプです。
◆マイボーム腺梗塞とは?
マイボーム腺梗塞とは、マイボーム腺機能不全の閉鎖型の具体的な病名の事。
マイボーム腺がなんらかの原因で詰まっている(閉鎖している)状態の事です。
この他にも「マイボーム腺炎」といったマイボーム腺が炎症してしまっている病気もマイボーム腺関連の病気としてあります。
マイボーム腺機能不全の症例の大半が閉鎖型なので「マイボーム腺梗塞」と名付けられたと思って頂くとわかりやすいかも。
◆マイボーム腺機能不全の症状とは?
実は無症状という事も多く、言われて気づくなんて事も多々あるそうです。
症状も多岐にわたり、
・ゴロゴロしたり、不快感がある
・異物感がある
・目やにが多い、溜まりやすい
・目が疲れやすい
・目がかゆい
・充血しやすい
・涙目になりやすい
・まつ毛が汚れやすい
・まつ毛が減ったり抜けやすい
・ものもらいが良くできる
・まぶたが重い
・まぶたが熱い
・朝目が開けづらい。
と、様々です。
分泌増加型の症状としては
・目の縁に泡のような分泌物がある
・涙目や涙がこぼれやすい
・眼脂がでている感じがするが本当はでていない
などの症状が特徴的です。
◆マイボーム腺機能不全を放置しても大丈夫?
マイボーム腺機能不全と診断されても、特に症状がない…という方もいらっしゃるかと思います。でも放置は危険です。
マイボーム腺に溜まった脂を元に「まつ毛ダニ」が繁殖しものもらいやマイボーム腺炎などの病気になってしまう事もあります。日本人の3人に1人はまつ毛ダニがいる!?なんて報告も…
治療までは…と思う方は
自分でできるマイボーム腺ケアをご紹介していますので、ぜひ試してくださいね。
◆マイボーム腺機能不全の治療は?
・マイボーム腺圧出 ⇒詰まった脂を絞り出す方法
・オメガ3の服用 ⇒脂をサラサラにするためにサプリメントなどを用います。
・目薬の処方 ⇒菌を抑えるタイプが多く直接的な治療にはなりにくいですが、近年新しいマイボーム腺治療薬アジスロマイシンという目薬が登場しています。詳しくはこちらで紹介しています。
・IPL治療 ⇒できる眼科が限られおり、保険適用外の最新治療です。IPL治療についてこちらで詳しくご紹介しています。
・リッドハイジーン・目の温めのホームケア ⇒最も効果がある方法ホームケアとして眼科で推奨されています。やり方など詳しくはこちらで紹介しています。
マイボーム腺機能不全やマイボーム腺梗塞かも!?と思い当たる方は、まずは眼科の受診しましょう。近年注目されている眼病なので、専門外来やドライアイ専門外来などでの検査がおすすめです。